営業成績不振に悩む担当、管理者必読の「チャレンジャー・セールス・モデル」レビュー:コツは関係構築ではなかった衝撃の事実

こんにちは。マルキチです。

私は仕事柄色々な本を読むのですが、今回はデキル先輩に勧められた本を読みました。

営業に関する書籍でしたが、これまでの自分になかった考え方を学ぶことができた本は久しぶりです。

営業手法といより行動モデルの改革に関する本でしたので自分に定着させる意味も込めてレビューしていきます。

対象の本は

チャレンジャー・セールス・モデル -成約に直結させる「指導」「適応」「支配」-

2回読み終わった感想として、本書は営業成績に悩む営業マンや、営業チームを強化したい管理者、および会社経営者に一度は読んでおいて欲しいと強くオススメできる本だと感じています。

これまで様々な営業活動を行ってきた自分自身の行動で間違っている部分も知ることができ、改善すべき行動がたくさんあることに気づくことができました。

概要と感想を順を追ってレビューしていきたいと思います。


これまでの営業常識を転換させる調査結果

営業のコツは何か?と問われるとどう答えますか?

顧客中心!顧客第一!』や

『顧客との間に良好で、なんでも話せる人間関係を構築すること』であったり、

『顧客との会話から顧客のニーズを引き出して商談に結び付ける』などがこれまでは正義とされてきていると思います。事実、そういった内容をカバーする営業指南書も多く出回っていますね。

ニーズを引き出すために傾聴力強化を命題に挙げている書籍もよく見られます。

私もこの考え方が正しいと思ってきました。

ですが、この「チャレンジャー・セールス・モデル」はその常識をひっくり返してくる内容が書かれています。

天邪鬼的にこれまでの常識と異なる意見を書いているのではなく、90社6000人にものぼる大規模調査で検証された内容に基づいているので、下手に精神論で書かれた書籍よりも信憑性はあると考えられます。

どういった内容なのかというと、まず営業マンのタイプは次の5つに分けられることを前提としています。

・ハードワーカー(勤勉タイプ)

・チャレンジャー(論客タイプ)

・リレーションシップ・ビルダー(関係構築タイプ)

・ローンウルフ(一匹狼タイプ)

・リアクティブ・プロブレムソルバー(受動的な問題解決タイプ)

もちろん営業マンが一つのタイプに関する特性しか持っていないわけではなく、タイプをまたがって持っている行動や考え方、特徴があることも本書の中で言及してはいますが、基本的には5つのタイプに分かれることから始まります。

この中で一番営業成績が良いのはどのタイプで自分はどのタイプだと思いますか?

私自身は関係構築タイプで、そのタイプが一番成績が良いと考えていました。

同様に考えている人が大多数ではないでしょうか?

しかし、本書ではタイトル通り、チャレンジャータイプが一番成績が良いと書いているのです。論客タイプから想像できるのは上司、顧客に言いたいことを言い、扱いにくいタイプです。

これは十分なサンプルから検証された結果で、好景気、不景気に関係なく成績が良いのはチャレンジャーであり、関係構築タイプでは決してないと結論付けています。

今の時代は商品やサービスを単品で売る時代ではなく、顧客の課題を解決するためのソリューションを提供する時代であり、複雑化するソリューション営業はチャレンジャータイプの営業が最も成功を収めている事実を明言しています。

「関係構築が不要」なのではなく、それだけでは売れないということを書いているので他のタイプを否定している内容ではありません。その記述が無ければ私は本を投げ捨てていましたw

どうでしょうか?この驚きの事実は約50ページにわたり詳しく解説されています。

ここまで読んで出てくる疑問は

「どうやったらチャレンジャータイプになれるのか?」

「タイプは生まれつきの性格で誰にでも真似できることではないよね?」

ですよね。本書はこの点について詳細に解説しています。

実際にチャレンジャーセールスモデルを取り入れている企業の行動例を出しながら説明しているのでイメージがしやすく、行動に移すことができる内容となっています。



必要な能力は指導、適応、支配

チャレンジャーモデルに備わっている能力、特徴は指導、適応、支配とされています。

適応以外は上から目線を持って顧客に接すると捉えがちですが、全く違います。

指導:顧客のビジネスについて独自の視点を持ち、顧客以上に顧客のビジネスを知り、顧客の知らない知見(インサイト)を提供することで教え導くことができる。

適応:顧客の意思決定者、調達責任者、キーマンを把握し、それぞれに正しいメッセージを伝え共感を得られるように適応することができる。

支配:お金の話も臆さず、必要であれば顧客に多少の無理強いができ、営業プロセスの全体を支配することができる。

チャレンジャーは新しい知見(インサイト)を顧客に教えることで顧客自身が気付いてない課題を発見し、その課題を解決するための関係者に同意を得るために動き(または顧客を動かし)、常に中心にいるので支配することで優れた成績を収めることができるとしています。

私が3つの中で一番注目したのが、「指導」です。新しい知見(インサイト)を教えることで顧客が気づいていない課題を見つけるというのは、これまでのアプローチとは別物だったからです。

これまでは人間関係を築いて、顧客との会話の中から課題を見つける、つまり顧客が既に課題としていることを掘り下げて商談にするのが普通だったので、この「指導」する能力だけでも身につけばガラリと変わるんじゃないかと感じています。

どうやってチャレンジャーを育成するのか

本書ではチャレンジャーの概念や特徴だけなく、チャレンジャーの育成についてかなり詳しく解説しています。

チャレンジャーセールスモデルを取り入れた企業の例であったり、その際に使用されたツールであったりと余すことなく公開しているので、これを参考に自分の会社にチャレンジャー育成プロジェクトを立ち上げることも可能です。

チャレンジャーを育成していく際に必要な行動や要素はいくつもあるのでレビューでは詳細に書かないですが、次の3点は非常に印象深く感じました。

・チャレンジャーを育成するには指導、適応、支配が一つでも欠かせない。一つずつでも強力だが3つ揃うことがチャレンジャーの育成となる。

・一朝一夕ではチャレンジャーは育成できない。年単位の育成活動が必要となる。

・各営業担当者に任せるのではない。会社が知見、戦略を整備し準備する必要がある

営業の本の中には明日から変われる!とか簡単に試せる!のような表現が多い中、チャレンジャーを育てるのは容易ではないと言い切っています。

大変だがチャレンジャーを育成することはできるとも明言しているので育成方法の詳細は本書で確認してみてください。


チャレンジャー・セールス・モデル 成約に直結させる「指導」「適応」「支配」

正直、自分一人では出来ないと感じました。チャレンジャータイプの営業マンはスゴイ。。

レビューまとめ

営業の行動に変革をおこそうとしているので大変であることは本書からも伝わってきますが、この考え方を取り入れるのはこれから自分自身が成長していくためにも必要だなと考えさせてくれる書籍でした。

読み終わってすぐに2回目を読むなんて、これまでマンガ以外でしたことがないのですが、それほどしっかり頭に入れたいと思いました。

考え方を知るだけではなく、行動しなければ意味がないといつも言われていますが、本当にそうですね。まずは本書の中に紹介されているツールを自分用に作成し使っていこうと思います。

私の会社が生き残るつもりがあるんだったら、この本を読んで育成プロジェクトを立ち上げて欲しいものです。。

それをチャレンジャー的に会社に提案するのも面白そうかなwww


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